女性は知っておきたい変形性膝関節症のこと(後編)
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では、どんな使い方が膝の負担になり、変形性膝関節症を誘発するのか、4つ具体例を挙げていきます。
①正座や女の子座り
膝関節の正常な屈曲角度は140°と言われています。正座をした時の屈曲角度はおよそ160°もはや亜脱臼しているようなものです。女の子座りはそこに更に捻りを加えています。このような不自然な姿勢を長年にわたり続けていれば、関節に異変をきたすのは当然と言えるでしょう。
②内股(ニーイントゥーアウト)
膝を捻じりながら曲げ伸ばしすることで関節に大きな負担がかかります。「ニーイントゥーアウト」という単語、スポーツを本格的にやっていた人なら聞いたことがあるかもしれませんね。膝が大きく内側に傾きつま先が外を向いている…最も膝が不安定で怪我を誘発しやすいポジションのことです。普段からこの姿位で歩いたりしゃがんだりするのを続けていたら、当然関節の寿命を縮めることになります。
③間違った歩き方
ニーイントウーアウトの状態で歩く内股歩き、膝に剪断力が掛かり続ける引きずり歩き、股関節を上手く使えていないけり歩き(膝下歩き)は、どれも膝に負担が掛かります。悪い歩き方=関節・筋の使い方が間違っているということ。つまりどこかに無理を掛けながら長年歩いているということです。
④サンダル、スリッパ、ハイヒール
足裏のアーチ構造を無視した造りだったり、足首が不安定になる靴を履くと、普通に歩いているだけでも膝に負担が掛かります。またそういった靴を履くと、前述の間違った歩行に陥りやすいということも覚えておかなければいけません。悪い靴×悪い歩き方の二つの条件が揃うと、相乗効果でより効率的に膝の寿命を削っていくことになります。
さて、ここまで全3回に分けて変形性膝関節症についてお話ししました。
変形性膝関節症とは、どういった疾患でどんな人がかかりやすいのか?
発症要因は何か?症状の改善は可能なのか?
日常のどんな行動が膝に悪影響を及ぼすのか?
少しご理解いただけたのではと思います。
強い痛みはないものの、膝に違和感がある方
O脚やX脚がある、外反母趾である、足首の捻挫を繰り返している等、変形性膝関節症のリスクが高い方
日常生活に問題はないが運動すると膝に痛みが出る方
以上に該当する方は、症状がひどくなる前に当院にご相談ください。
症状が強く既に変形が進んでいる方も、もちろん対応致します。
関節軟骨のすり減り度合い、膝周囲の骨化の様子をもとに、重症度をはかるKL分類(ケルグレン・ローレンス分類)というものがあり、保存的治療でも痛みが改善せずグレード3以上の場合、医師から手術を提案されることが多いようですが、当院ではそのような症状の重い例でもたくさんの治療実績があります。