五十肩・肩関節周囲炎
- 症状別治療方法
五十肩は「肩関節周囲炎」とも言われ、特に40代や50代に起こるケースが多い症状です。ハッキリした前触れもなしに突然痛みを感じ、その痛みが長期間継続して続きます。
痛みの原因は肩周りの筋肉や腱の炎症ですが、この五十肩は回復期間が長期的になる症状です。個人差がありますが、回復までに1年~1年半ぐらい期間がかかるケースもあります。
3つの進行時期
急性期
最初は肩の周囲がだるい・重いに始まり、徐々に痛く重い感覚に変化していきます。
少しでも動かすと痛みが出てくるようになり、夜に痛みが出て疼いて、眠れない状態になります。1ヶ月前後その状態が続く場合が多いです。
慢性期
夜間痛が徐々に治まり、昼間に少し肩が疼いたり、急に動かしたり、無理に動かした場合は、ビリっという痛みに変化していきます。
髪の毛が洗えない、手が後ろに回らない、ブラジャーのホックがつけられない、棚の物が取れないといった状態になります。肩が抜けそうで、重く置き場がないなどと訴えられます。
期間は1~3ヶ月くらい続きます。
リハビリ期
徐々に痛み・重さがなくなりますが、肩の動く範囲はなかなか回復しません。
少し我慢すれば、不便ながらも日常生活には問題ありません。治療に反応しにくく、強い痛みもないので治療する気にもなかなかなれません。
この状態だと、治癒するのに1年~1年半前後かかります。
家で出来ること
急性期や慢性期の早い段階では肩関節に炎症がありますので、こまめに冷却をしてください。2時間に1回/15分程行ってください。
何もしないときは三角巾で安静にするのもよいです。慢性期の後半やリハビリ期は少しずつエクササイズを行います。必ず痛みがない範囲で動かし、運動後は冷却を忘れずに行いましょう。
当院で行う治療
急性期
夜の痛みや、じっとしていても痛むといって、ご来院される方が多いので、炎症を抑える治療を行います。
冷却を行い、除痛のために電気治療や超音波をかけます。肩の関節や筋肉は強い治療をすると、炎症が広がってしまい、治りが悪くなるので優しい痛みのない治療をします。
慢性期・リハビリ期
強い痛みは減ってきていますが、肩の内部にある筋肉も腱も縮んで、肩の動きが悪くなります。
関節が拘縮状態に陥っていますが、この頃には少し動かしても炎症はあまり起こりませんが、調子を見ながらほぐし治療やストレッチなどを行い緊張を緩めます。
アドバイス
五十肩はじっとしていても痛みがあり、夜も痛みで眠れないなど、体も心も追い込まれる症状です。
治療してもなかなか良い反応が得られずに、いつ治るのか不安になってしまいます。痛みの原因は肩の関節の周りの筋肉や腱の炎症です。その痛みが出ている期間を早めるために治療を行います。消炎鎮痛をしっかり行えば痛みは引きますので、ご安心してください。
夜に痛んだり、じっとしていても痛みがある間は、ストレッチや体操はしないほうが得策ですし、熱いお風呂に入るのもオススメしません。無理に伸ばすと炎症が拡がり症状がひどくなりますので、痛みが治まり次第、痛まない範囲で運動を開始します。